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脱皮、爪切り

・  脱皮

アオジタトカゲは定期的に脱皮をする生き物です。脱皮は自然な現象ですので、人間の手助けは必要でない場合が多いです。

脱皮前のアオジタトカゲは背面がいつもよりも暗く、くすんだ色になり、腹部が白くにごったような色になります。この色の変化から一週間以内に脱皮がおこることが多いです。さらに脱皮の数日前には食欲が落ちたり、機嫌が悪くなったりします。水入れの中に頻繁に浸かっているのも、脱皮前であるサインです。筆者の飼っているアオジタトカゲの脱皮前と脱皮後の写真を下に載せます。

脱皮前にすると良いのが、温浴です。アオジタトカゲは脱皮前に自分で水入れに浸かることがあります。温浴は人間の手でぬるま湯に浸けてあげることを指します。脱皮前に温浴することによって、脱皮がしやすくなり、脱皮不全を防ぐことが出来ます。

温浴は絶対ではありませんが、腸の活動を活発にし排泄を促す効果や、体を綺麗にする効果(アオジタトカゲはうんちをよく踏みます)、脱皮を助ける効果があるため脱皮前以外にも気が向いたらしてあげると良いでしょう。

温浴の仕方は簡単です。まず、タライや洗面所などに25-35度のぬるま湯をアオジタトカゲの耳の穴の下くらいの水位になるまで張ります。水温はいちいち測るほど神経質にならなくても大丈夫です。手を入れてみて、ちょうどいいぬるさであれば問題ありません。次に、アオジタトカゲを持ってきて、しっぽの方からゆっくりとタライの中へおろしてあげます。アオジタトカゲはお風呂嫌いの個体も多いです。最初バタバタする場合は、前脚をしっかりと手の上に乗せてあげて頭部が水に入らないように支えてあげましょう。しばらくすると落ち着きます。この状態で10-20分浸けておきましょう。温浴後は必ずタオルやキッチンペーパーで体を拭いてあげ、寒くない所に置きましょう。

脱皮自体は数日で終わります。剥きたくなる気持ちはとても良く分かりますが、無理に鱗を剥がしてしまうとアオジタトカゲを傷つけてしまうので手助けは温浴程度にとどめましょう。脱皮後は必ずしっぽの先、手足の指に古い皮が残ってしまっていないか確認しましょう。正常な場合、手助けはほとんど必要ないと書きましたが、古い皮が残ってしまっている場合は飼い主の助けが必要となります。まず、下に正常な前脚の脱皮の写真を載せます。

皮が残っていると、指やしっぽの先に血液が行き渡らなくなってしまい、最悪の場合指やしっぽが壊死してしまいます。これを防ぐためには、残った脱皮殻を温浴しながら優しく指の腹でこすってとってあげると良いです。アオジタトカゲの指はとても繊細ですので、くれぐれも脱皮殻を無理に引っ張るようなことはしないでください。下の写真は、脱皮不全により指がとんでしまったアオジタトカゲです。

しっぽ、手足の次に脱皮時に注意するのは頭頂部と耳の穴です。どちらも皮が残りやすい部分です。頭頂部は、もし鱗が残っていたら温浴しながら指の腹でこすってあげましょう。耳の穴は、面白いことに穴の形にスポッと皮がとれます。耳袋(筆者が勝手に作った単語です)が蓄積すると、耳の損傷や出血へとつながります。耳袋をとる際には、絶対に耳の中にピンセットなどはいれないでください。もしアオジタトカゲが動いてしまったら、大きな事故につながりかねません。シンプルに、耳袋の端を指でそっともち、ゆっくりと耳からひき出してみましょう。アオジタトカゲが痛がったり、簡単に耳袋が出てこない場合は数日待ち、再度挑戦してください。

脱皮不全や、無理やり鱗を剥がした場合、何かに鱗をこすった場合などに、鱗が損傷されることがあります。これは頭頂部におこりやすく、損傷した鱗は乾燥していて、色が薄く見えます。何回か脱皮をくりかえすうちに鱗は再生しますが、何度脱皮しても再生しない場合は生まれつきの鱗の模様であることがあります。感染症がおきている場合を除き、特に大きな問題はありません。下の写真はbluetongueskinks.netからの引用です。

・  爪切り

アオジタトカゲの爪はきちんと手入れをしないと細く、痛いです。下の写真くらいに爪が伸びていたら、ちょうど切り時です。

アオジタトカゲの爪は内向きにカーブしています。爪切りは必ず横向きに構えて、指の先から1mmほどの幅を残して爪を切りましょう。初めての爪切りは2人以上で行い、抑える人と切る人がいたほうがうまくいきます。

アオジタトカゲが動いてしまう場合は、靴下を頭にかぶせ、切る脚以外はタオルでくるんでしまうと上手くいく個体もいます。筆者は、アオジタトカゲを膝の上に置き、タオルでくるんだ上で脚を寝ている時の状態で後ろに伸ばし、素早く爪切りしています。脚を後ろに伸ばしてあげるとアオジタトカゲも安心し、脚も動かしづらくなるのでおすすめです。

深爪しすぎると、当然血が出ます。慌てなくても大丈夫です。しばらくタオルで抑え、血が止まれば問題ありません。どうしても怖い方には、人間用の電動爪やすりをおすすめします。千円代で通販で手に入る上、血が出るほど深爪するおそれもありません。筆者はウサギ用の爪切りで爪の先端を切った後に、人間用の電動爪やすりで切った面を丸めています。

爪の伸び方は使用する床材やアオジタトカゲの個体差によります。よく爪が伸びる個体に対して爪切りをさぼってしまうと、爪が曲がって伸びてしまい、歩くたびに足を傷つけてしまいます。下の写真の様な状態のアオジタトカゲにしないためにも、がんばって爪切りをしましょう。

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