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アオジタお迎え前に

アオジタトカゲは、18世紀にヨーロッパの冒険家達によりオーストラリアで初めて見つかったトカゲのうちの一つです。1777年にはかの有名なクック船長がアオジタトカゲをオーストラリアから持ち出したという記録があるほど、人々は昔からアオジタトカゲの飼育を試みていました。

当時は爬虫類の飼育技術も未発達で、アオジタトカゲを飼うことは不可能に近いと言われていました。近年ではアオジタトカゲの生態の研究も進み、著しい飼育技術の発達によって終生飼育が可能となりました。日本国内でもアオジタトカゲは人に良く慣れる性質や丈夫さ、適度なサイズ感によりペットリザードして台頭しています。

これからアオジタトカゲを飼ってみたい、という方もたくさんいるでしょう。そんな方向けにアオジタトカゲ購入時に気をつけるポイントがいくつかあります。

・ 購入場所

必ず個体を見に行って購入しましょう。下の写真のように、アオジタトカゲは光加減、写し方などで色が全く違って見えます。また、写真では健康状態も確認できないことが多いので、爬虫類を扱うお店や爬虫類のイベントに行き自分の好みの個体を探しましょう。

・ WC個体かCB固体か

WC(Wild Captured)とは、自然界で暮らしていた個体を捕まえてきた、という意味です。CB(Captive bred)とは、人間の手によって繁殖された、という意味です。一般に、CB個体の方が、なつきやすく状態も良い傾向にあります。

・ ダニ

爬虫類にもダニがつくことがあります。鱗がめくれあがったところがないか、小さな白や黒の動き回る斑点がないか、しっかりと確認しましょう。慣れていないと見つけにくいので、店員さんにも一緒に確認してもらうのが無難です。下の写真のアオジタトカゲは、前脚の付け根や首周りの鱗がめくれ上がっています。これがダニのついている鱗の特徴です。

・  外観

アオジタトカゲは手足の両方に5本ずつ指があります。1本くらいの欠損で、理由が脱皮不全などの場合は特に問題はありません。何本も欠損指がある場合は、それまでの管理が悪く度重なる脱皮不全が起きていたり、感染症にかかっていたりする可能性があるため避けるのが無難でしょう。

また、アオジタの耳周り、手足、しっぽ、頭などをよく観察し、脱皮不全がないかどうか確認しましょう。鱗の色が他の場所より濃かったり、鱗がめくれ上がっている場合は脱皮不全の疑いがあります。

・ 飼育環境

あまりにも小さすぎるケージで飼われている場合や、ケージの中に複数のアオジタトカゲがいる場合、指飛び(指が欠けていること。アオジタは手も足も本来5本ずつ指があります)、傷、体調などをより注意深く観察しましょう。下の写真にように、同居により指飛びや他の怪我をしている個体もいます。

・ 種類

アオジタトカゲにも色々な種類があります。詳しくは、種類の項目を読んでみてください。

それとは別に「キャラメル」「サンセット」「パターンレス」と書かれて売られていることがあります。これらは固定された品種ではないことが多いです。その個体の色を気に入って飼う場合は固定されていないものでも何も問題はありませんが、繁殖を考えている場合はその個体がどういう交配で産まれたのかブリーダーまたは販売者にしっかり確認しましょう。

・ 温度

アオジタトカゲは通常、触ると若干のぬくもりがあります。ぬくもりがあるアオジタトカゲは活動できる状態にあります。

反対に爬虫類イベントなどでお迎えする場合は、ヒーターなしの臨時ケージでアオジタトカゲが冷えていることがあります。アオジタトカゲは温度が低いと活動が鈍り、荒い個体でも一見人に慣れているかのような大人しさになります。

アオジタトカゲを触った時にひんやりしていたら、大人しくてもそれがその個体の性格とは限りません。お店の人に、普段の様子を聞いてみましょう。

・ 産まれた日にち

実際に明確な日にちを教えられるお店は少ないでしょう。おおよそ何ヶ月、何年という情報でも役に立ちます。餌やりの頻度などにも関係してくるので、必ず聞きましょう。

・ 今与えられている餌

正しい餌を与えていないお店からアオジタトカゲを購入するのにはリスクが伴います。栄養バランスの偏った餌や、カルシウム剤が添付されていない餌を与えているお店の個体は代謝性骨疾患などの病気をもっている可能性があるため、注意して聞きましょう。

・ 保証

きちんとしたお店であれば、購入の時点で生体確認書のような書類を渡されます。購入後の飼育相談は受けつけているのか、万が一お迎え後に死んでしまった場合に保証はあるのかなど、必ず確認しましょう。

下にある確認書は筆者が生体をお迎えした時のものです。

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